運命の歯車-不思議の国のアイツ-

第4節:リョウとコウと田村ジュン




リョウとコウは、他校の生徒5人と学校近くの市の体育館の裏に来ていた。



ここは、ちょうど、道からも死角になっていて、体育館が使われてない限り、騒いでも誰かに見つかる心配のない場所だった。



「で、お前ら、誰だっけ?」



ダルそうにリョウが、他校の生徒5人に声をかける。



他校の生徒5人の中でひとりが、前に出た。



「俺は、東三鷹中の田村ジュンだ。織田、お前、うちの中学の奴ら、やっただろ?」



冷静な声で話しかけてくる田村ジュン。



ただ、冷静なのは田村ジュン一人で、後ろの4人は、今にも飛び掛ってきそうな顔をしていた。



「昨日・・・?」



リョウは、考えるそぶりをする。



「何だよ、昨日のことも覚えてないのかよ?」



コウが、リョウを呆れた表情で見た。

< 31 / 275 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop