零の狼-新撰組零番隊-
序章
闇が滴る。

そんな形容をしたくなるほどの漆黒の夜。

某建設会社との癒着が囁かれている政治家、額田新次郎が暖簾を潜り、料亭から出てくる。

でっぷりとした腹を揺すりながら、いやらしい笑いを浮かべて女将の腰を抱く。

何事か囁き、薄ら笑いは高笑いに変わった。

…この料亭で席を設ける事で、幾らかかるのか。

私は知らない。

恐らく額田も知らない。

見当もつかないような金額を要するのだろう。

その金銭は、全て国民の血税で賄われている。

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