零の狼-新撰組零番隊-
第三幕
新撰組零番隊は非公式の治安維持部隊だ。

西洋文明が発達し、銃火器全盛の現代で、己の肉体と魂、剣腕、そして武士道を以って無辜の民の生活を守る、時代錯誤な戦闘集団。

しかしそれは、裏を返せば己の技と魂のみで、現代の如何なる兵器をも凌駕できるという事に他ならない。

かつての日本にも、そんな超人的な技と魂を持った丈夫(ますらお)達が存在したのだ。

躑躅森組長の中には、そんな技と魂のみで死地を潜り抜けてきた真の侍達の復活という目的もあるのだという。

…今の日本には、そんな気骨のある者はいなくなってしまった。

軟弱で、脆弱で、自らの保身のみしか考えぬ者達ばかり。

そんな連中ばかりだから、この国は腐敗していくのだと。

何度も何度も、組長は隊士達に説いて聞かせてくれたものだ。

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