【短編】セブンスター
レミ

とあるキャバクラの更衣室。



『あ~頭痛が痛い…』


アタシは、近くの黒服に聞こえるよう、

大袈裟に頭を抱えて
しゃがみ込んだ。



「それって日本語おかしくないか?」


『え?どこが?』


「"頭痛"と"痛い"って、単語がかぶってない?」


『あ~ほんとだ!』


「だろ?」


『うん!頭いいねっ…って…あ…』


してやったり、とでも言いた気な表情で

ふふん、と鼻で笑われてしまったアタシは


もっと上手く仮病を演じる方法はないものか、家に帰ったら考えようと密かに思った。





< 1 / 23 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop