逢瀬を重ね、君を愛す


「かっ、薫っ!!」

いきなり抱きついてきた薫の行動に赤くなる。
更に呼んでも返事が無いときた。

少しすると薫は彩音から少し手を緩め、顔を見合わす。


「…春、楽しみにしてろよ?」

「春?」


今は冬の終わりかけで、春はもうすぐだ。
薫の言葉に彩音は笑顔で頷いた。


「うん」


それを見た薫は笑顔でよしっ。と頷くと、彩音からはなれた。


「じゃ、行ってきます。」

「いってらっしゃーい。」


出ていく薫に手を降り見送る。
蛍も出ていくと彩音は外を見る。


「春…か…」


見上げた空に浮かぶ月に
彩音は微笑んだ。
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