お前は俺の予約済み!!
2★★★俺の視線のその先に
鼻をつく汗くさいラクビー部の部室。



俺は急いでバタバタと着替えを済ませ、



エナメルバックに荷物を詰め込んだ。



『じゃあな~!南~!いい報告待ってるぜ♪もし、南があの子をふるなら俺が狙うかなぁ~♪』



部室から出ようとしていた俺に、



篤司が手を振りながら声をかける。



『ったく…うるせぇって。じゃあな。お疲れ~』



部室のドアを開けようとしながら思う。



俺はいったい何をしてんだか……ってさ。



心ん中の俺がつぶやく。



瑠璃っていう彼女がいるのに、



『ゴメン。待った?』



校門の脇で俺を待っていた女へ、



笑顔を作りながら駆け寄る俺。



『いえっ…あのっ…全然大丈夫ですっ。南沢先輩と帰れるなんて……あたしっ…嬉しくてっ…』



本当に嬉しそうに俺を見上げ、顔を赤くするその女。



『俺、まだ名前聞いてないよね?名前は?』



俺はその女と肩を並べ、



ゆっくりとした足どりで歩き始めた。

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