日本料理店[白桜]は、俺の所持金じゃ怖くて近寄れないような高級店。



店の前で車を降ろされ、眠っている一葉を起こさないよう、肩を抱きかかえて碁石の白石を敷き詰めたような石畳を歩く。



右の方には、小振りながらも立派な松の木が根本からライトアップされ神々しく見える。左には時期の紅葉が隠された間接照明により、その美しい装いを最大限に楽しませてくれる。



入り口には百年以上前の木と竹を組み合わせて作られ、店内から柔い光を通す格子戸。



店に入ると、正面には鹿の親子が描かれた屏風が出迎えてくれる。



優雅な立ち居振る舞いの女将に奥の部屋に通されると、真新しい畳の匂いに圧倒されながら席に座った。



兄ぃは眠っている一葉の為に、女将に話して隣の部屋もとってもらった。



一葉を隣の部屋に寝かせ、もう一度兄ぃの居る部屋に戻る。



兄ぃの後ろには、美しい山河を描いた掛け軸。俺は一枚板を折り合わせて作られた下座の座椅子に座った。

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