至近距離恋愛 -Hero-
あたし達はホテルを後にして、稔のバイトの時間に合わせて駅に向かった。


別れ際、上機嫌の稔が笑顔で口を開いた。


「明日と明後日はバイトあるけど、明々後日は暇やから、遊園地でも行こか♪」


「ほんまにっ!?行きたい♪」


あたしは嬉しくて、すかさず満面の笑みで頷いた。


「約束な♪」


稔は、優しい笑みを浮かべながらあたしの頭を撫で、時計を気にしながら改札口を抜けた。


そして軽く手を振り、そのまま人混みに紛れてしまった。


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