大学時代の法学のゼミで、



研究室が一緒だった、



俺の数少ない友人と言える男、



高木東磨(たかぎとうま)が、





『昇進祝い』と称して、



俺を連れて行ってくれた店は、





それまでの俺とはまるで縁のないような、



煌びやかな、だけど、



何か不可思議な空気も感じる空間。




…いわゆる、ホステス同席のナイトクラブ。





店の前に立って、一瞬ギョッとした俺が、



背後に立っていた東磨を睨みつけると、




東磨は気にした様子もなくニヤニヤしながら、



まあ、入れよ、と、



俺の背中を押す。




「…なんだ、ここ」



「とぼけるなよ。


いくらクールで冷血な圭斗だって、


興味ないわけないだろ?



…この店さ、俺仕事の接待とかで、


よく先輩にも連れて来られるんだけど。



会員制とかのお高いナイトクラブよりも敷居が低い割に、


女の子達が結構グレード高いんだよ。



…割と、有名大学に通ってる女子大生だったりして。



大丈夫。


圭斗もこれからは、こんな店で豪遊出来る位、


給料貰えるんだろ?



…今日は俺が奢ってやるよ。


特別手当が出た後だしな」




東磨はそう言うと、



あっさりと店への階段を昇って行く。




外付けの階段すらやけにゴージャスで、



いかにもお水のお店です、って感じのネオン。




俺は警察官がこんなとこに来ていいんだろうか、



なんて、チラッと考える。



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