溺愛窒息Kiss


告白なんてしない。

告白したら、どうなる?


そんなの決まってる。

今の関係でいられなくなる。


幼なじみでもいいから、憂の傍にいたい。

方想いがいいわけがない。


憂が告白された、っていう噂も聞くし、俺の周りにも好きな奴は多い。

もしこういうときに彼氏なら、色々言えるのに、って何度も思うけど、俺は何もしない。


好きだから。

憂が、なによりも、大切だから―――――





「でもあれじゃん?憂ちゃんにも彼氏できるかもじゃん。……いや、もういるかもな」

腕を組みながら言う逞を、ただ見つめた。


彼氏……か。

「かもしれないな……」


本当はこんなこと言えない程辛いけど、どうしようもできないもどかしさが、言葉を偽る。

もし、本当に憂に彼氏ができても、祝えないし、笑えない。



きっと、

きっと………


止まらなくなる






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