同じ空の下で

〈職員室〉

―ｶﾞﾗｶﾞﾗｯ

「「失礼します。」」


「あの。吉井先生は？」


お兄ちゃんは近くにいた先生に声をかけた。


「ちょっと待って下さいね。吉井先生〜っ」


「あっ。津月さん、どーも。」　


吉井先生はなんだか優しそうな感じの女の先生だった。


「あなたが柚奈さんね？私は、あなたのクラスの担任の吉井 文恵（ﾖｼｲ ﾌﾐｴ）です。よろしくね。」


「…よろしくお願いします。」



吉井先生はもう一度よろしくねって言って微笑んだ。




「まぁ、今日お引っ越しの日だと伺ってたんですけど、お忙しくなかったですか？」


吉井先生は私達を荷物のある部屋まで案内しながら話しかけてきた。


「大丈夫です。今日中に片付くほどの荷物ですし、学校の荷物もついでに片付けてしまおうと思って。」



その後もお兄ちゃんと吉井先生は色々話してた。


時々、吉井先生は私にも話しかけてきたと思うけど、あんまり覚えてない。



だって、なんだか変な感じがしたから。




新しい学校も。


新しい担任の先生も。


吉井先生がお兄ちゃんに敬語で話している事も。




全てが違い過ぎて、私に違和感を与えてくる。