Devil†Story
さてと。


やっと静かになったし、うるさいあの女の授業も終わったことだし…一眠りでもするか。


そう思って机に突っ伏そうとした時だった。


「あれあれ〜?王子様寝ちゃうのかな〜?」


イラッとする声の方を目だけで見るといつもヤナにちょっかいをかけてくる数人の男子がぐるっと机を囲うように集まってきた。


「……」


「おいおい〜シカト?相変わらずだね〜王子様」


「エリートは俺らみたいなのと話すのも嫌ってか?」


まるで人間の男子高校生のようなノリに正直馬鹿にしているヤナはだるそうに目をそらした。


「…調子に乗ってんじゃねぇよ。あぁ?」
「クソ眼鏡が」


急に怒り始めた連中にいよいよ呆れ果てそうになった瞬間。


リーダーらしき男がヤナにとって思い出したくない過去の話をしようとした。


「済ましてるけど知ってるぞ。お前昔…人間にーー「…黙れ」」


「!!」


それ以外言おうとするのを許さない雰囲気で睨みつけたヤナに周りはたじろいだ。


乱暴に立ち上がるヤナに慌てて後ろに下がる数人。


ヤナはそのまま最悪の空気を残して教室を出て行った。


周りは一瞬静かになったがすぐにヒソヒソと小さな声で囁きあっている。


「んだよあの態度」


「……クソが。済まして腹立つ」


さっきまでちょっかいをかけていた集団は悪態をついた。
< 496 / 521 >

この作品をシェア

pagetop