ラブリーホーム*先生の青③




青波を抱っこしたまま
リビングに入り
ダイニングテーブルに向かう



テーブルのオレの席には
スーパー〇ップと割りばし


今朝はカップヌー〇ル
夕べはど〇兵衛(ピンそば)



………今日もオレには
飯は作らねぇと




……むっかー
と来るけど
抑えろオレ



ここでオレまで怒れば
収拾つかなくなるだろう



イチはまだガキンチョなんだ



女房だと思うから
この仕打ち、腹もたつ


しかし
元教え子だと思えば
思えば……思えば……



キッチンに立ってるイチに
「ただいま~」と
笑顔で言いながら近寄り



「きょ、今日は
市花ちゃんの大好きな
ノエルのショートケーキ
買って来たよ~」



「………………」



無視かい



「ちぇーち?」



この気まずい空気を
取り持ってくれるのは
やっぱり青波



「そうだよ
青波の分もあるからね」



こちらを振り返りもしねぇ
イチは諦めて
青波をリビングにおろし
手を洗いに洗面所に向かう



バシャバシャ
手を洗いながら
鏡の中の自分と目が合う



「冴えねぇな、お前」



まいったなぁ……
まさか、あんなに
怒るとは………






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