いちごキャンディー【短編】

好きな人

―――そして、翌日。

私はさっそく、隼人の好きな人について調べ始めた。

隼人と仲がいい人なら何か知っているのではないかと思い、隣のクラスを覗き込む。

あ、いたいた。


「北村くーん！」


私が呼んだのは隣のクラスの『北村 拓海』くん。

隼人とクラスは違うが、隼人ととても仲がよく、隼人の親友とも呼べる存在だ。

私に気付いた北村くんは、話していた友達に何か言い、私の方に来てくれた。


「久しぶりだな！石川！どうかしたのか？」


実はこの北村くん。

私の学年じゃ、かなりモテモテだったりする。

廊下からの女子の視線が、かなーり痛い訳で…

でも、これを乗り越えなきゃ隼人の好きな人を突き詰めることはできない！

頑張れ、私！


「あのね、北村くんに聞きたいことがあるんだけど…昼休みとか、時間あるかな？」

「昼休みなら大丈夫だよ。じゃあ…昼休み、体育館裏でいい？」

「うん！ありがと、北村くん」


とりあえず、北村くんから話を聞くことはできそうだ。

私は北村くんに手を振り、教室へと戻ったのだった。