恋〜彼と彼女の恋愛事情〜

純

暁の家のソファーに座って紅茶をだしてもらった。

暁も座る。

沈黙が続いたから

「あ、暁、話があるの」

私から話を切り出したんだけど

「いや、ちょっと待ってくれ、俺から話がしたい」

と、さえぎられた。

なに？怖い･･･。

別れた理由とか？

私が告白したら･･･なんて返事を返してくれる？

早瀬君と成宮君が来てくれて

「別れたのは、暁の本心じゃないから、もう一度話を聞いて欲しい」

って言われて、初めは都合の良いほうに考えてたんだけど･･･。

暁を前にすると、やっぱりなにを言われるのか不安で･･･。

「罰ゲームのこと知ってたんだってな」

え！？どうしてそれを？

「昨日聞いてた」

ああ、そうか。

未那たちとの会話聞かれてたんだ･････って。

私たしか「暁が･･･好き」って言ったんだよね。

いまさらって思ってたりするのかな。

「大切なこと言わなかったよな」

大切なこと？

罰ゲームの理由とか？


「俺は･･･純が好きだ」


･･･え？

････す･･･き･･･？

暁が私を･･･好き？

わからないけど･･･何だかよくわかってないんだけど。

胸がいっぱいになって、顔が熱くなって･･･涙が溢れてきて･･･。

私も言わなくちゃ･･･暁が好きって言わなくちゃ･･･。

「あ、暁。あの･･その･･っ･･･」

･･･っ･･･で･･な･･い？

『好き』

って言葉がでない･･･。

･･･怖い。

『お前なんか誰が本気で好きになるかよ』

『お前に好きって言われると、気持ち悪くて吐き気がすんだよ！』

以前、好きになった人に言われた言葉。

暁は違う。

好きって言ってくれた。

その言葉に嘘なんてない。

わかってる。

頭ではわかってるのに。

言葉が、出てこないよ･･･。

どうしよう。

伝えられない。

その時、暁が手を握ってくれる。

「大丈夫･･･」