死神⭐アシスタントッ!
新たな指令
 隣には紗世が居る。ずっと俯いたままだ。

目の前には閻魔大王と呼ばれる方がいらっしゃる。
この目で確かめるまで架空のものだとばかり思っていた。

本当にいるんだなぁ……。

「藍澤翔太、君の犯した罪であるが……霊界法令、第八条に基づき、重罪であることに変わりはない。しかし霊体であったお前に彼女を突き飛ばすことはできない。きっとお前の『念』がそうさせたのだろう」

「念……?」

「従って君に新たな任務を与える」


「『新たな任務』……?」


「藍澤翔太はこれより悪霊ハンターとして最低三年間、悪霊退治の特別任務に就いてもらう。よってその指令は随時、紗世から聞くように。以上」

「あ……えっと、その」

「これは今回における特別措置であることを忘れないように」

「はい!ありがとうございます」

「礼ならそこに居る紗世にするんだな」

「?」

そう言って閻魔様は消えてしまった。

重罪……いうから命でも捧げろとか言われるって思ってたから──。
予定外の展開にドギマギしている自分が居た。

信じられなくて……、

そしてこれは全部、紗世のおかげである……と。


「ありがとう、紗世」

「いえいえ、どう致しまして。似てたんだよね」

「何が?」

「昔の私に……さ。死神やってるのも特例のおかげなんだ」

彼女は明るく笑っていた。

「そっか──、助けられたそいつはきっと感謝してるよ」

「うん」

紗世が助けた奴の顔も名前も知らないけれど、

きっと──、


彼女は好きだったんだろう。


そんな気がしている。
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