ストーカークラブ
第二章 一通のメール
 居酒屋を出てから信太は地元だが、三人は電車で帰る為、信太だけが反対方向に歩き出した。

 疲れた。

 自宅の2階建てのアパートに着くと、信太はベッドに倒れこみ、そのまま眠ってしまった。

 ピロピロリ〜ン♪♪

 携帯電話から、メールの受信を知らせる音楽が鳴った。


「うるせ〜な。誰だよ! 何時だと思ってんだ!」


 時計の針は、夜中の二時を示していた。
 乱暴に携帯を掴み、受信メールを開くと、



 from xxxvw@tb.ne.jp
 美奈子(みなこ)と別れろ
 別れるまで付きまとってやる
 別れなきゃ殺す
 -------END---------



 脅迫めいた文が書かれてあった。差出人のアドレスは登録されてるものではなく、全く知らないアドレスだった。

 誰だよこれ……。信太は一気に目が覚めた。

 俺が、美奈子と付き合ってる事を知ってる奴の仕業だろうけど……。

 考えてる最中に、また携帯が鳴った。
 今度は電話の着メロだ。

 ピロピロリ〜ン♪♪

 ディスプレイを見ると、美奈子からの着信だった。
 慌てて通話ボタンを押すと、


「もしもし〜美奈子だけど明日休みだし、午後から買い物付き合ってくれないかな?」


 今何時だと思ってるんだよ、と信太は腹が立ったが、なるべく穏やかな口調で答えた。


「ああ、いいよ。じゃあ明日な」


「やった〜! じゃ明日の午後三時に駅前でね〜。今日はもう切るね。おやすみ」


 ふぅ〜。安堵のため息を付いて、俺は美奈子が今日はすぐ電話を切ってくれた事を喜んだ。

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