幸せな結末

恋に落ちた夜

「行きつけの店なんだ」

そう言って連れて行かれたところは、バーだった。

若宮さんと肩を並べて、私はカウンターに腰を下ろした。

「いつもの」

そう言ってマスターに頼む彼は、なれているのだと思った。

まさに、大人だ。

「ごめんなさい、お礼をしてもらっちゃって」

そう言った私に、
「いや、気にしなくてもいいよ。

俺がしたかっただけだから」

若宮さんはフッと笑った。

「美羽ちゃんも何か頼めば?」

「私は結構です」

首を横に振って断った私に、
「お酒ダメなの?」

若宮さんが聞いた。

「さっき、たくさん飲んできたので」

「そう、なら仕方ない」

私たちの間に沈黙が流れた。
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