ラビットクリニック
ラビクリ第1話

地元で絶大な人気を誇る歯科クリニックがある。


完全予約制で、常に新規のお客さんは1週間待ち状態。


それでも痛い虫歯やらを我慢して、待つという根性は虫歯も根気負けしちゃうくらい。



そんなクリニックで助手として三ヶ月前から働いているわたしは、平木 実依菜(ひらぎ みいな)22歳。


「はい。こちらラビット歯科クリニックです。予約ですか?予約は現在1週間待ちになっており…あ、はい。では来週の水曜日3時からはいかがで…あ、ではお待ちしております」

ふぅーと一息をついて受話器を置いた。

こんな調子の電話にも最近は慣れてきた。



毎度毎度、受話器越しの相手の鼻息の荒さと興奮したような物言い。


それらは決してわたしに対するものではない。

大体殆どが女の人ばかりで、たまに珍しく男の人が彼の名前をそういう調子で口にする。



その彼はというと―…
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