crystal love
  


電話を終え、教員室に戻れば、
既に、ジェイドは帰宅した様だった。

使い終えたカップを洗っていると、
ボスが給湯室に顔をだす。

「ディオナ、ロバートと
食事に行くんだが、
君も一緒にどうだい?」

ジェイドの出国も決まって
専属教師の終わりもみえ
ちょっと肩の荷がおりた。

せっかくだから、気分転換に
同席させてもらう事にした。


夜風にあたり、
ワインと美味しいお料理を
楽しみながら、話題にのぼる事は、
ジェイドの事だった。


・・・まあ、

ボスは、いささか、
彼の行動を、勘違い
していたけれど。


『まさか、
彼が、君の事を
気に入るなんてな・・・』

送り届ける途中にも
言われた言葉だけど
それは、ありえない。

全否定すれば、

『嫌いだったら、
君のコマ、全部押さえたり
しないだろ。』

そう、言うけれど。


・・・単純に
新鮮だっただけだろう。

いつだったか、
本人も言ってたし。

自分相手に激怒する人間なんて
まだ、いたんだなって。


彼は、希望を実現するために
最大の努力をしただけ。

そこに、色恋なんて発想は
なかったはずだ。

それでいいと、思う。


その姿が、周りの協力を
引き寄せたんだから。
才能のある人間は
自然とサポートされる。

これが現実だ。


実現力と運のある人間と
その他大勢の人間の違い。


やっと、任務終了なんだから
今度こそ、自分のために
努力と時間を使いたい。


私は、夢を

叶えられるん
だろうか?



 
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