7時12分。
第二章
次の日もインテリ君と一緒の電車だった。
実際わたしは、インテリ君は昨日だけだと思ってたから少し驚いてしまった。
(今日はインテリ君は何をするのかな?)
と、私は心の中で思った。
私自身は、相変わらず化粧をして外をみるだけ。
鏡でシャドーを塗りながらチラッとインテリ君を見る。
今日は、英語の単語帳をだしていた。
(テストでもあるのかな?昨日読んでた本はもう読み終わったのかな?)
なぜか、インテリ君の行動が気になる。
昨日、出会った見知らぬ人なのに…。
化粧が終わり、私の視線は昨日と同じようにインテリ君と外の景色をいったりきたり。

ビルの輝き。
インテリ君の斜め横顔。
隣町の駅のホーム。
インテリ君の真剣な目。

『次は、○○駅』

もうすぐ着く。
インテリ君は単語帳をカバンにしまい、少し深呼吸をした。
そのとき、一瞬だけどインテリ君の表情がゆるんだ。
(あんな顔するんだ…)
と、私はすこし彼に親近感を感じてしまった。
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