tokimeki*train
好きな彼


あっ!いた。
今日も彼に会えた事を神様に感謝しながら、こっそり前を見る。

目の前のいかにもやんちゃそうな学ラン集団の中にいる彼。明るい色の髪に着崩した制服。何にも入ってなさそうな薄いカバン。そしてアイドル顔負けのキレイな顔。仲間とバカ笑いしてる、その笑顔。

ホント。かっこいい。

彼らは、私の通う学校と同じ駅にある男子校の子たち。偏差値もそれほど高くない、いわゆる『おバ○学校』で。さらにこの地域の不良くんが大勢集まる事でも有名な学校だった。

今日も彼の集団は10人ぐらいで、ホームで大騒ぎ。まぁ、いつもの事だけど楽しそう。周りの大人は迷惑そうな顔してるけどね。

しばらくすると、電車が来て彼らも私も乗り込んだ。

夕方の時間帯。
朝と違って、めちゃ混みなんてことはない。
私はちょっと離れた所にあるつり革を掴みながら、彼の事を見つめていた。

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