チョコレート・ウォーズ!!!

やっぱり俺は不幸物…











「ねぇー!美里ぉ~!!本チョコ誰にあげんの!?」


「ばッ…!!こんなとこででかい声出すなよ!
塚、リホこそジュンクンに手作りあげんでしょ?

リホが手作りとかマジウケるし!米も洗えないじゃん!!」


「うっさいなー!水ん中に指入れちゃうとデコった爪取れそうでェ。

その点チョコとか簡単だったし!」

「ウーケーるーwww」





ジュンってヤツが可哀想だ。そう思った月曜日。






あまりの緊張で昨日の晩は眠れなかった。


嫌な考えが頭を一度巡ると、それが俺の頭を支配し始めて


気が付いたら朝という、なんとも言い難い経験をしてしまった。



オカンには

『あんた今日バレンタインだよね!?チョコいっぱい貰ってきな!!

お母さんが食べてやるから!!』


と、直球すぎるプレッシャーをかけられて


朝から生気を吸い取られてしまった。



それでも、いつもよりちょっぴり早く家を出たし


だいぶ早く学校に着いてしまうくらいには浮かれているんだと思う。


登校途中に聞いたジュンクンの話し。


それもまた、今日がバレンタインだと思い知らされて


胃が甘ったるい感じになった。



…ジュンクン。さっきの言葉は撤回するよ。




俺だって誰からでもいいからチョコが欲しい!!!



勿論藤野がくれたら言う事無い!!



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