愛の雫
与えられた言葉が優しくて、胸の奥が熱くなる。


事あるごとに頼ってばかりのあたしを、いつも優しく受け入れてくれる早苗…。


甘えてばかりじゃいけないと思いつつ、彼女が傍にいてくれる事が幸せだと思った。


「うんっ……!」


あたしは早苗に負けないくらいの笑顔で返事をして、手を大きく振った。


彼女もそれに応えるように手を振ると、踵を返した。


空を染めるオレンジ色が、すごく眩しい。


その柔らかな色に目を細めながら、夕陽に向かって歩き出した――…。


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