愛の雫
翌日、昼頃に起きたあたしは、重い体を動かして支度を始めた。


いつもよりもナチュラルメイクの自分に、少しだけ違和感を覚えてしまう。


もう少しだけマスカラを重ねたいと思うのを我慢して、アクセサリーボックスからネックレスとピアスを取り出した。


鏡に映るママ譲りの童顔を見つめながら、お気に入りのピアスを着ける。


それから着替えも済ませ、ようやく身支度が整った頃…


「希咲ちゃん?」


部屋のドアをノックする音とともに、耳障りな声で呼ばれた。


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