ロシアンルーレット【コミカルアクション】
「何訳わかんねーこと言ってやがる!」


 乱暴に言い放ち、俺はリボルバーをそっと刑事の手から奪い返し、銃口を三人に向けて構えたままゆっくり後ずさりし、数メートル移動したところで、クルリと向きを変えて走り出した。


 行き先は決まっている。


 どんな事があっても予定を変更する気はなかった。


 奴らが執拗に俺を追う気配もなく、俺は目的の建物へ到着した。


 ノアのマンションの道路挟んで向かいにある、兄貴が潜伏していると思われるマンションの入り口に俺は立ち、高々と聳え立つそれを見上げた。


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