黒の生け贄。〜悪魔は笑う〜

コレクション。

自分の部屋に帰って来た時には時計の針が6時をさしていた。





僕は再び大学ノートを手にして赤松公園で描いた絵を見ることにする。





暗く特徴もない背景に月の光が反射して刃物が立体的に浮き彫りになり、地面は赤く瑠璃色の生臭さを感じ命の流れを主張してるように血の海の中に溶け込む二人が美しく残酷でどこか悲しげな印象を僕に訴えかけてくる。





僕は綺麗に整理された勉強机に向かい、椅子に腰かけて赤松公園で描いた絵のページを大学ノートから綺麗に切り取り、勉強机の右上の一番上の鍵付きの引き出しを開けるために財布から鍵を取り出し、鍵穴に鍵を入れて軽く右側に手首を回すとカチャとロックが外れる音がなった。





そこにはクリアファイルが2つ重なってあり、2つに重なっている上のクリアファイルを手にし、先ほど切り取った絵をクリアファイルに差し込んだ。





このクリアファイルには僕の絵が何枚にも渡って差し込まれており、中身は殺人現場や自殺現場で想像したのデッサンがいくつもある。
今や、クリアファイルは二冊目に進んだ。





言ってみれば、コレクションみたいな物だ。コレクションを始めたきったけは三年ほどまえの事になる。


< 9 / 46 >

この作品をシェア

pagetop