愛羅武勇×総長様Ⅰ

「…何で?」


「美憂、原野に関わるな。絶対に。」

「ん…分かってるよ…」

「桜井のそばにいるんだぞ。送り迎えは俺がするから。」

「…何で?」

「言っただろ、危ないんだって。」

「いつもそうじゃん……」

「は?」

「何があっても危ないからって!何も聞かされてなきゃ分かんないよ!」

何度かこういうことがあった。そのたびに

「1人にはなるな」
「桜井と一緒にいろ」

って…

何でって聞いても

「危ないから」

それしか言わなかった。

ほんとの事を言ってほしい。

あたしバカなんだから…分かんない……

教えてよ…、大ちゃん…っ…


もと来た道を戻り、家についた。

「じゃあな…明日迎えに来るから…」

返事もせず、家に入った。

誰もいない家はシーンとしてて、急に1人が怖くなった。

机を見ると、お母さんの字で

【今日はお父さんもお母さんも帰れそうにないので、ご飯作って置いておきます。
チンして食べてね。】

と書いてある置き手紙があった。

明日まで1人ってことか……もう慣れた。

お父さんが帰れないのは珍しいことじゃない。お母さんはあんまりないけど……


「はぁー………」

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