まほろば【古代編】
【終章】
色素の薄い少し長めの茶色い髪を靡かせて、一人の少年が黙々と歩を進めている。

ツッとその足が止まった。

少年は視線を前に向けたまま声を上げる。

「いつまでついて来るつもりだ?」

タッタッタッ。

軽い足音が聞こえ少年の背後で止まる。

「ありゃ。気づかれてたか」

そこで、少年が振り返る。

そこには、綺麗な長い黒髪と瞳を持つ美しい少女が立っていた。

少女は悪びれた様子もなく、ニコリと微笑む。

「だって、一人旅じゃ寂しいでしょ?私がついていってあげるよ」

少年の困惑した表情に構うことなく少女は続ける。

「こんなかわいい女の子がお供してあげるんだから感謝しなさいよね」
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