報復サイト~正義の死(バツ)を~
第九章 最(おわり)期に向けて
  

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『樹梨っ!』


 母親の平手が樹梨を襲った。


『何故学校に行かないの!お父さんに恥をかかせる気?』


 母親は、樹梨を何度も殴った。服の上から力一杯殴った。
 樹梨は、身体を固く丸くしてそれを、受けていた。
 いつもの暴力だった。


『樹梨っ!!学校に行きなさいっ!!』


 母親の暴力に耐えるしかなかった。


『樹梨っ!!この恥知らずが!!』


 父親も服の上から暴力を振るう。樹梨は、暴力が終わってからふらふらと覚束ない足取りで家を出て行く。


 憎イ…
 憎イ…

 オマエが…
 オマエたちが…

 ニクい
 憎イよぉぉぉ


 樹梨は、心の中で叫んだ。そして、憎しみの象徴である“学校”に辿り着いた。



  
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