隣の先輩
第8章 意外な共通点

 もうすぐ高校に入って一ヶ月が経つ。


 クラスメイトの顔と名前も一致するようになっていた。明日からは連休。


 どこかに行くことはないんだけど、学校を休めると思うとほっとする。


 学校を出たとき、ジャージを持っていないのに気づいた。


「ごめん。私、忘れ物をしちゃった」

「待っているよ」

「いいよ。先に帰っていて」

 学校が終わって一時間以上経ってた。咲が図書室に行きたいというので、ついていき、その帰りだった。


 咲たちと歩くのはほんの数分。それなのに待たせておくのは悪いからだ。

 職員室を覗くと、まだ誰かいるのか鍵がなかった。


「安岡」
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