成海くんが行ってしまった音楽室は静かすぎて…
椅子から立ち上がると、、
キュッ と、自分の上履きの音だけが、
音楽室に響いた。
胸が・・
心が・・・
この気持ちは、なんだろう
ピアノのすぐ脇にある窓際に立ち、
グラウンドを見ると、成海くんが走っていくのが見えた。
たった、さっきまで、私のすぐ目の前で微笑んでいたのに。
今は、
窓のガラスに片手を当てただけで、成海くんが見えなくなる。
すごく・・遠い・・
遠い・・存在。
どうやったら、もっと近づけるの・・
もっと・・近づきたい
成海くん
成海くん……
成海くんの笑顔を、もっとみたい
成海くんの事を、もっと知りたい
なのに
内気な自分には、そんな勇気がない
こんな気持ちに、なるなんて…
そんな事を考えていたら涙が出た