初恋タイムスリップ【完】

理由

次の日
気まずい思いを引きずりながら学校へ行った。


上履きとジャージは「小さくなった」とお母さんに嘘をついて、買う事にした。

机もロッカーも下駄箱も常に空の状態でいるように気をつけた。

そしたら、

空の下駄箱に丸められた紙が、入っていた。

紙を開くと【死ね】と書いてあった。

私はその紙を破いて、廊下のごみ箱に棄てた。


教室に入ると、今日はもう成海くんが来ていた。



「おはよう…」


私は小さな声で成海くんに言った。


「美音、ちょっと…」


成海くんは私の腕をつかみ、廊下の教室からは死角の凹んだ部分に連れていった。


「昨日は…ごめん、
俺、美音の事、大事にするよ。だからもっと、思っていることとかたくさん話ししよう。俺…
ごめんな…」



成海くんが、謝ることなんてひとつもないのに。

悪いのは、全部私なのに・・




どうして私なんかに、こんなに優しくするの…



どうして…






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