天使の羽が降る夜に

未紅



髪を切ってもらった舜は本当にカッコイイ。

未那さんて人が

「モデルをしてもらいたいくらい」

という気持ちが分かる。


今は・・・舜にお願いされた翔太さんと未那さんのところにいる。

2人はベンチに座っていた。

「・・・舜。自分の命が短いこと知ってるんだね」

「・・・そうだな。・・・あいつは本当に強いよ」

「うん」

「未那、美容師の仕事頑張ってるんだね・・・舜に雑誌見せられてお前の名前見たときは本当に驚いたし嬉しかったよ」

「・・・うん。あれから頑張ったもん」

「・・・未那、今つきあってる人とかいないの?」

「うん・・・何人かと付き合ってみたんだけど、なかなかうまく行かなくて・・・今はいないの・・・翔太は?」

「俺も一緒。・・・付き合ってはみたけど・・・ダメだった・・・」

「・・・そう・・・」

少し沈黙が流れる。

「・・・未那、俺今学校に行ってるんだ」

「学校?」

「うん・・・会社の先輩で渡辺さんって人がいるんだけど、その人が俺に目をつけてくれて、若いし成績も悪くなかったし建築士の2級なんだけど取ってみないかって言われて、社長に掛け合ってくれて・・・夜間なんだけど行かせてもらってる」

「そう!良かったね・・・翔太の夢だったもんね」

未那さん、本当に嬉しそうな顔するなぁ。

「うん・・・それでさ・・・」

「うん?」

「もし、2級建築士になれたら・・・・もう一度やり直してもらえるか?」

「・・・・・え?・・・」

「俺から別れておいて・・・未那のこと悲しませておいて・・・最低な奴だけど・・・やっぱ未那じゃないとダメでさ・・・勝手なこと言ってるのは分かってる・・・でも考えてくれないか」

「・・・・・・」

「未那・・?」

「・・・なこと・・ばっかり」

「え?」

「もう!勝手なことばっかり!!私があの時どれだけ傷ついたと思ってるの!?」

「・・・いや・・・うん・・ごめん・・・」

「どれだけ泣いたと思ってるの!?何度やり直したいって・・・声が聞きたいって思ったと思ってるの!!!?」

「・・う、うん・・・本当に・・ごめん・・・」


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