VS~Honey~

側に…



「ど~ゆ~ことかな? 晴紀くん」


Marsの五人と美紗はリビングのテレビ前にある低いテーブルを床に座って囲むと、長髪の男ーー龍太郎が面白がる目つきで見てくる。

面倒くさい人にばれてしまったと思う。

鉄ちゃんも龍太郎くんたちが来るってメールに気が付くの遅すぎた。


「君、名前は? 何て言うの?」

「相川美紗です。」


美紗はちょっと戸惑い気味に答える。


「美紗ちゃんていうんだ~。可愛いねぇ。晴紀とはど~ゆ~関係なの?」

「えっ? えっと」


美紗が困ったように俺をちらっと見る。
たぶん美紗はMars全員が事情を知っているのだと思っていたのだろう。
でも今来た二人の反応を見て、俺が話していないことを悟り、言っても良いものか口ごもったのだ。
俺はそっとため息をついて美紗の変わりに答えた。


「こいつは同居人だ」

「同居?」


ずっと黙っていたレオが静かに口を開く。



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