光る道

風邪

まもなく薫は、新しいドラマの撮影に入った。



「ドラマは大変」と言ってたけど、本当にハードみたい。 朝早く出かけて、夜遅く帰るの繰り返し…



撮影がない日は別の仕事。



同じ年で、この収入の差は何なんだ! と思った事もあったけど、私より大変な時もある。


芸能人って華やかだと思ってたけど、意外と大変で不自由かも・・・





夕方帰ると、めずらしく彼がいる。



「ただいまー。今日は早いんだね。」


「あー。お帰り…」


ボーッとTVを見ながら答える。


何か声が変だ。

そばに行くと、顔が赤くて目が潤んでる。おでこに手を当てると熱い。


熱あるじゃん・・・



いきなりおでこを触られた薫はびっくりして


「なに?」


と、私を見る。



「熱あるでしょ。薬飲んだ?」


「いや…。大丈夫だよ…」


「大丈夫なわけないでしょ!! ほら、ベッドに寝て!」



私に腕をひっぱられた薫は、のろのろと立ち上がり、ベッドへ入った。



体温計を見ると… やっぱり高い…



それから必要な物を買いに行った。

氷枕、薬、スポーツドリンク、レトルトのお粥…
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