零~ZERO~
詞音
約8年前、私には、高校時代から付き合っている、同い年の彼氏が居た。
けれど、同い年、特に彼は、高校生だけど子供ぽいし、頼りないし、だらだらとりあえず付き合っている様な、マンネリを感じていた、別れたいと、自分勝手に思っていた。

そんな中、退屈を感じていた私は、当時流行っていた、出逢い系サイトで詞音と知り合った。

私は、何気なく、軽い気持ちで自ら掲示板に書き込みをした。住んでいる地域も書いた。
そして、自分より歳上の大人の人を求めていた。

すると、すぐに10通以上の返信があった。
大体は、遊び目的の人達だった。
出逢い系なんてそんなもんか…と、思いつつ、1通のメールに目がとまった。

それが詞音だった。

他の人達とは何か違う、真剣に出逢いを求めている内容のメールで、住んでいる地域が近い事と、私が望んでいた、歳上の男性だった。

すぐに、直アドでメールのやり取りを始めた。
彼は当時、仕事をそっちのけにして、私とのメールを楽しみにしていたそうだ。

でも、私には今、付き合っている人が居る。
それは、今の彼にも、詞音にも言わなかった。
ずるい奴だと分かっていた。

そして、詞音と私は逢う事になった。
忘れもしない6月22日。
彼が、デートの場所に決めた、1度行ってみたかったという、花やしきに行った。
花やしきは、とても小さな遊園地なので、見るまわる所が、あっという間で、気まずかったのを覚えている。

けれど、私が退屈しない様に、一生懸命に楽しそうに話しをしてくれたのが伝わった。
口下手な彼なのに。

詞音がプリクラを撮りたい。と言うので、私も賛成した。

当時、詞音は26歳、私はハタチ。
あどけなくて緊張しながら笑顔の写真は、今でも残っている。

詞音との写真は、プリクラ以外にも、膨大な量が、私の実家に残されている。

…今は、そのプリクラや写真は、怖くて、悲しくて、見る事は出来ないけれど…。
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