零~ZERO~
悪化
張り詰めていたものが、途切れてしまったかの様に、私の病状は、悪くなる一方だった。


ついに、朝の仕事を休職する事になった。
とりあえず1ヵ月。

いつ良くなるかなんて、自分でも分からない。

先生に勧められた"デイケア"に通う事も考えたが、人と関わりたくなかった。

朝、起きれない。
1日中布団の中。風呂に入るのも面倒臭い。とにかく何もしたくない。動きたくない。出掛けるのは、仕方なく病院に行くだけ。


デイケアとは、同じ様な病を抱えた人達が、コミュニケーションをとる場所で、仲間同士で、料理したり、書道したり、散歩したり、人と人との関わりを学ぶのがメインだけど、好きな時間に来て、1人で、ボーッと過ごしても構わないし、好きな時間に帰ってもいい、縛られない自由な空間である。


あんなに、働いていた自分が、自分と思えなかった。結局、無理していたんだろうか。
貴矢にも、出逢った頃は、凄く作り笑いしている感じだった。と、言われていたから。
本当の自分を隠そうと必死だったのかもしれない。


貴矢に出逢って、緊張の糸が切れたのかな…。

鬱状態は、悪くなっても、無理しないでいい事を貴矢から、自然に教わった。

普通な笑顔になったし、顔つきも変わったって貴矢に言われたから。



病院の帰りに、貴矢に逢いに行く事をよくしていたが、あんなに乗っていた電車も嫌いになっていた。
でも、頑張れば、貴矢に逢えると思って、無理して、
『大丈夫。』
と言って乗っていた。


風俗に向かう電車の中や接客中も、全身の痺れ、顔面の痺れが出て、焦った事がある。

でも、誰にも分かってもらえないと思って隠していた。
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