Love Step

オフィス

「雪哉さん!ちょうど良かった ちょうど電話しようと」


店に姿を現した雪哉を見て北島 遼平が慌てて近づいた。



「どうした?」


雪哉が何事かと眉を上げる。



「上島様がいらしているんです」


「上島様?」


受付の女の子も予約表を持って近づいてきた。



「明日の予約だったはずだけど」


予約表を見る。



「はい 予約表には明日になっているんですけど上島様は今日だとおっしゃられて」



上島 和美は雪哉の顧客で絶対に雪哉でないとだめなのだ。



お客様か受付か、どちらかが思い違いをしたのだが、それよりも店のイメージを崩されたくない。



雪哉はため息を吐いた。



「いいよ 部屋にお通しして」


車に残して来た杏梨を思い出して店を出た。





< 26 / 613 >

この作品をシェア

pagetop