命の箱
さっき開け放った窓から
そよ風が入り込んでくる。


失神する真奈の傍らに落ちている
日記が風にあおられパラパラとページがめくれていく。


目をつぶる真奈の頬を
風が撫でていく。


目をつぶり意識をなくした事で
真奈には平安が訪れた。


目をつぶり意識をなくせば
これ以上嫌なことは見たり聞かなくていい。


意識をなくしてしまえば
嫌なことはなかったのと同じこと。
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