君に染まる(後編)

独占欲と訪問者






ひどい頭痛だった。


寝起きでボーッとする頭にズキズキとした刺激が加わり目覚めは最悪。



ようやく体を起こした私は、思わず目を疑った。



広い部屋、私1人では大きすぎるベッド。


高級そうなカーテンの隙間から朝日が射し込むこの部屋は、紛れもなく創吾先輩の部屋だ。


なんで私ここにいるの…。


思い出そうとしても頭が痛くて考えられない。


同窓会に行ったとこまでは覚えている、けれどその先が…。




「…未央?」



頭を抱える私を呼ぶ声に顔を向けると、ベッドから少し離れたソファに創吾先輩が横になっていた。


あくびをしながら体を起こすとまだ眠そうな表情のまま立ち上がり、ソファの横にある冷蔵庫からペットボトルに入った水を取り出している。


ベッドに座った先輩は、それをそのまま私に差し出した。



「おはよ」


「…お、おはようございます」



おもむろにペットボトルを受け取り口にする私を先輩はじっと見つめる。


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