ドライヴ~飴色の写真~
豆電球の灯り
   〈1〉

「篠さあん!!」

「うわっ、びっくりした」

 気付いたら、私は《篠敬太郎探偵事務所》のドアを勢いよく開けていた。

 中でソファに座ってくつろいでいたらしい篠さんが、腰を上げてこちらを見ている。
 篠さんの前にある、透明なガラス製のテーブルの上には、コンビニ弁当のカラが散らばっている。

「ど、どうしたんだ、なぎさん。こんな時間に……10時前だぞ」

 どうやら本気でびっくりしたらしい篠さんが、心臓の位置を右手で抑えながら私に聞いた。

「篠さん! うちのポストにエライものが!! 大変なんです! ついに私がヤバイ!」

「……なぎさん、落ちつけ。ゆっくり最初から話してごらん」

「と、とにかく。この中を見てください!」

 私は震える手で、篠さんに例の白封筒を渡した。

 篠さんが、訝しげな顔で封筒の中を覗く。
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