いじめられッ子には救済を。

「…ウッ……ヒック…」


ヤバい。
泣かしちゃった。



ペタンと座り込む少年A。



今だー。
確保ーー。



スッと近寄り、しゃがんで目線を合わせる。


「…ヒック……まだ、…ック…死にた、くない、です…」



『うん。良かった。
君が死ななくて。』


頭をワシャワシャしてやった。


「…や、やめてく、ださい。」


『さっき死のうとしてた奴が髪型なんか気にすーんな。』


罰としてもっとワシャワシャにしてやる。



「……ありがとうございました…助けてくれて…」


『いいえー』



俯いて、ちっさい声だったけど、ちゃんと聞こえたよ。



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