いじめられッ子には救済を。

おぉ。
やっぱり知られてた。


「…んだよ?」

あんま睨んでやるなよ。
おっかない先輩だなぁ。



「あ、いや……」


ほら、ビビってるじゃん。



そんなことより、

『君ら、あんなとこで何してたの??

なんかすごい音してたけど?』


まーさか、仲良くおしゃべりしてた訳じゃないよね??



「え、…特になにもしてなかったよな?」

「お、おう。
喋ってただけです。
音は、コイツがコケちゃって…」


白井弟を指差す後ろの奴。


白井弟は腕に怪我をしているが、これなら「転んだ」で通じる程度の怪我だ。



『…ふーん。
ならいいけど。

もう戻っていいよ。
持ってきてもらっちゃって悪かったね。』


「あ、いえ!!
それじゃ、さようなら!!」



『はい、さよーなら。

…あ、キミは手当てしてやるから残りな。』



若干涙目の白井弟を呼び止めた。



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