「入ってもいい?」

襖なので叩いていいものなのかどうか少し迷いつつ、軽くどんどん、と叩いてあけた。

「幸姫!」

開けた瞬間、異様な雰囲気である事を察知した幸姫は思わず中に入るのをためらった。
が、座って食事をしていた政宗は、名前を呼ぶと持っていたお猪口を乱暴に置き、幸姫の所まで行くと、そのまま腕を引っ張って自分の隣に座らせた。

「ちょっと…」

安心した表情の政宗に、呆れ顔の喜多、そして困惑した表情の幸姫。どうしていいか分からずにいると、政宗は幸姫の腰に腕を回して、自分のそばへと寄せた。

「あの…」

眉を顰め、腕を振りほどこうとしたが、力が強すぎて振り払う事が出来ない。

「夕餉はまだだろう?」

政宗に言われて、幸姫はまぁ、と頷いた。

「一緒にどうだ?…なぁ、いいだろう?喜多姉」

「畏まりまして」

政宗の言いたい事を理解したと同時に、諦めたような表情で、喜多は頭を下げると部屋を出て行った。



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