あの音をもう1度

倒れた少女 時が止まった部屋

【涼太side】



突然、目の前で奏が倒れた。



「お、おい!」



傍に駆け寄ると奏の頬に涙が1粒流れている。





  『もう傷つきたくない』





奏が倒れる直前に言った言葉。



「奏…、過去に何があったんだよ…」



俺はやり切れない気持ちを抱きながら奏を保健室まで運んだ。














***


「あら?鈴宮くん。どうかしたの?」


保健室に入ると保健の先生が声をかけてきた。


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