雨色恋歌

記憶


―――――がらがらがら・・・

教室のドアを右手で開ける。
まず一番最初に目に入ったのは、サヤカの顔だった。

河崎サヤカ。前のクラスでも一緒だった、ギャル系女子。
きっと私とは別のグループなんだと思うから、あまり関係ない。
けど・・・

「あれぇ~蘭ちゃぁん~!!同じクラスだったんだ?よろしくっ」

ハイテンションで話し掛けられる。結構可愛い子で、別に嫌いじゃなかったから、

「サヤカとまた同じだねぇ!よろしくv」

って言ってみた。とりあえず机の位置を把握しておかなきゃいけないから、早々に会話を切り上げた。
前の席は知り合い程度の理沙ちゃん。
後ろは千佳。同じ部活の子だった。

この時、私はアイツの存在を確認していなかった。
覚えてすら、いなかった。

小学校の頃、同じクラスだった、くらいのイメージしかもっていなかったから。


こんなに好きになるなんて、思ってもみなかった・・・・



どうして、こんなに好きになったのか。
自分でも、未だにわからない・・・・―――

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