花の魔女
魔女修行
翌朝、目が覚めて自分がいつもとは違う場所にいることに気づき、村をでてきてしまったのだと改めて感じた。
今考えてみれば、会ってすぐの男の人にのこのこついていくなんて自分らしくない、と思う。
でも、あのとき自分はラディアンについてこようと決めた。
どうしてかわからないけれど、そうしなければならないと思った。
(それに彼は悪い人ではない…みたいだし)
部屋のカーテンを開け、とりあえず顔を洗いに行こうと部屋を出ると、人影と鉢合わせた。
「あ……」
(ラディアン…)
彼はもう済ませたようで、少し髪が濡れている。
「おはようナーベル」
「お、おはよう」
爽やかに挨拶されて、ナーベルはどぎまぎと挨拶を返した。
(私、なんで緊張してるのかしら…)
そう思いながら、ラディアンの視線から逃れたくて彼の横をすり抜けた。
「ナーベル」
やっと逃れたと思ったら、ラディアンが振り返ってナーベルを呼び止め、
ナーベルは仕方なく足を止めた。
「なに…?」