貴様!何様?会長様!?
3:鬼会長と飼いネコの関係
(( 零*side ))
ザーザーと灰色の空から落ちてくる雨の粒。
昨日まで満開に咲き誇っていた桜が、今はもう枝が散り透けていた。
呆気ない。
散りゆく運命にありながらも、どうしてこうも綺麗に咲けるのか。
「おはよ、零」
不意に呼ばれた自分の名前に、声のする方へと視線を移す。
俺からの返事なんて最初から期待していないそいつは、俺の隣の席に腰を下ろした。
「最近華奈ちゃんどんな感じ?」
「……吉野?」
朝からいきなり意味不明だな。
俺にそんな事を朝っぱら聞いてくる奴は、1人しかいない。
「お前毎日会ってるだろ」
克也だ。
「会ってるけど、零とはどんな感じだよ?」
俺とはって、それを聞いてどーする。