貴様!何様?会長様!?
(( 華奈*side ))
「華奈?」
なんでだろう…?
「華ー奈ー?」
「わ…?!」
「危なっ!」
ボケーっとしていた私は、少しの段差にも気付かず、つまづいた。
「さっきから名前呼んでんのに気付かないし、体調でも悪いのか?」
咲先輩が腕を掴んでくれたおかげで、なんとか転ばずにはすんだ。
「いえっ、すみませんっ!」
なんでだろう。
ほてった体が冷めない。
「お前ほんと、危なっかしーよな」
からかうように言う咲先輩の笑顔につられて、私の頬も少し緩んだ。
「ほんと…すいません」
零会長が、変なことするから。
私の頭では、何回さっきの零会長の腕の感触が再生されていることか。
消しても消しても、隙をついて出て来てしまう。